八日目の蝉・女性の執念と究極の母の愛・その終末は
この作品はテレビドラマ版と劇場版の両方が制作されています
ドラマ版はやはり丁寧に細かな所まで描いていますから
見応え十分です
半面、劇場版はドラマみたいに丁寧な作品の作り方は出来ませんが
最初から最後まで一気に見れますから
ドラマとは違った意味で見応え十分です
無理なストーリー展開もなく、演じる役者さんの演技はどちらも
素晴らしく、ドラマ、映画どちらを視ても重量級の面白さです
おおよそのテーマは
母性をテーマにした作品です
不倫相手の子供を誘拐した女性が3年半の逃亡劇の末警察に捕まります
事件後、大人になった子供は、実の両親と何処か馴染めずにいます
サスペンス調の展開となっていますが
出生から愛情、家族などの日常生活が鋭い切り口で描かれています
あらすじ
ドラマ版の主演を務めるのは
ドラマ初主演の檀れいさんです
この作品で女優としての地位を固めた感があります
秋山丈博の愛人であった野々宮希和子(檀れい)は秋山宅に侵入し
眠っていた赤ん坊(秋山恵理菜)を一目見るだけでしたが
赤ん坊に笑いかけられ衝動的に誘拐してしまいます
希和子は赤ちゃんに「薫」と名前を付け、赤ん坊とともに逃亡生活を始めます
最初に事情を知らない親友の手を借りました
その後、立ち退きを迫られている女の家での滞在や
偶然に遭遇した女性だけで共同生活を送る
「エンジェルホーム」に所持金をすべて手放して入所します
さらにエンジェルホームで出会った共同生活者の手助けを得て
小豆島に逃亡し、落ち着いた生活を送っていましたが
1枚の写真がきっかけで希和子は逮捕されてしまいます
成人した恵理菜は(誘拐された赤ちゃん)
妻子持ちの男性と付き合いますが
希和子と同様に妊娠してしいます
恵理菜の前に、かつてエンジェルホームにいたという安藤千草が現れます
同時進行で成長した21歳の恵理菜の物語も進められます
恵理菜は一人暮らしの大学生ですが、不倫の子を身ごもります
そんな恵理菜の前にルポライターと名乗る安藤千草が現れました
恵理菜は、21年前に誘拐された赤ん坊でしたが
保護された後、実の両親に馴染むことが出来ませんでした
そんな恵理菜の辛い記憶と、誘拐中の逃避行が交互に描かれて行きます
千草は、恵理菜と幼なじみだったと打ち明けます
千草は、希和子が逃亡中に身を寄せた「エンジェルホーム」で
恵理菜の遊び相手でした
「薫」と呼ばれていた希和子との生活を追想する恵理菜
希和子は恵理菜を誘拐した犯人でしたが、母としての愛に包まれて成長しました
不倫相手に別れを告げ、千草と共に小豆島を訪れる恵理菜
そこは、恵理菜にとって幸せな生活に満ち溢れた場所でした
旅の途中、心の空白が埋められて行く恵理菜は
両親や過去へのわだかまりが解け
恵理菜はお腹の子を大切に思い育てることを誓います
物語の最後は、育ての親と生みの親とのわだかまりが溶けていき
それぞれが、明日へと向かっていく様な感じのストーリー展開と
なっていきます
ドラマ、映画ともどちらを視ても十分楽しめる作品だと思います
皆さんにもぜひ見てほしい作品です