ドラマスペシャル キッチン革命 二人の女性の奮闘

ドラマスペシャル キッチン革命

このドラマ、実在の2人の女性を描いたものだそうです

一人は、日本初の女子栄養大学を創設した香川綾氏です
計量カップ&スプーンを考案しました。
料理の解らない人でも料理が作れる様に料理カードを作り上げました。

ドラマ内では、料理カードを作る為の苦労がありありと描かれています。
終戦間もない、まだ男尊女卑の激しい時代です。
戦前戦後の貧しい時代でも誰もがおいしい食事が食べられるよう料理の計量化に取り組んだ
姿を描いた作品です。

綾さんは子供の頃母を失い、母の様な方を救いたいと医師に成る事を誓います。
でも父親はそれを認めず、教師の道を進めました。
教師の職は3年続ずけました。その間に医師になる事を父親に認めさせ医学校に
成績優秀で医師になり、研究職に着きますが男尊女卑が激しく、雑用ばかりの毎日です。

綾さんの教育係に大人しい同僚が任命され、これが縁で上司の勧めもあり二人は結婚する事に

上司からは栄養学の大切さを諭され、栄養学を研究の主眼にします。
そんな時一人の脚気患者を任されます。当時の脚気は、原因と治療法が確立されていませんでした。

ある日、主人が健康に良いと胚芽米を持ってきます。

早速脚気患者にこの胚芽米を炊き食べさせますが、余りのまずさに食べてはくれません。

一念発起し、ご飯の美味しい炊き方の研究に励みます。
それはあらゆるデーターを記録しながらの研究です。記録をとれば誰でも美味しく胚芽米を炊けます。
試行錯誤の上ようやく美味しく胚芽米を炊く事に成功し、以後毎日この脚気患者に胚芽米を食べさせます。
結果、この脚気患者は見る間に健康を回復し、元気な体を取り戻しました。

綾さんはこの体験で広く胚芽米の調理法を広め、国民の健康維持に努めました。

以後、夫婦二人三脚で栄養学の普及と、計量カップや計量スプーンの普及に努めました。
誰が作っても美味しい料理と健康な食事作りの普及に努めました。

綾さんの考えは日本栄養学の進歩に大きく貢献したものと思われます。

ドラマでは綾さん役に、葵わかなさんが
彼女のふんわりとした雰囲気が、生前の綾さんを思わせてくれるようです。

このドラマは2夜連続の放送でした。
一夜目は、日本の栄養学の母みたいな 香川綾さんの物語。
若い頃の綾さんには葵若菜さんが、
栄養大学を設立した往年の綾さんには薬師丸ひろ子さんがそれぞれ演じられています。

二夜目は
日本初の女性一級建築家、浜崎マホさんの奮闘を描きます。

浜崎マホさん役には、伊藤沙莉さんが演じます。
香川綾さんと浜崎マホさんは何の接点も無い様に見えますが
どちらも、日本の炊事環境に革命を、
それまでの家庭の主婦は
暗くて日当たりの良くない、冬などは手足のちじむ健康には良くない
職場環境での日々の調理作業を行っていました。
この様な環境での日々の炊事作業は決して、働く主婦の健康には
良くありません。
この劣悪な環境から、家庭の主婦を開放するのが二人の接点と成っています。

実際には二人の結びつきが在ったのかは判りません。この辺はドラマとしての
演出かも知れません。

戦後の日本では高度経済政策により、極端な住居不足にあえいでいました。
そこで日本政府は1995年日本住宅公団に、新たな公団住宅の建設を命じます。

設計課長の本郷義彦(成田凌さん)が「お台所のマホ様」と呼ばれる浜崎マホさんに
設計チームのアドバイザーを依頼します。
マホさんは、日本初の女性一級建築士。海外育ちで新しい感覚をと期待しました。

最初の打ち合わせでマホに「一戸当たり13坪でと云います」が
マホは「一戸当たり13坪では狭過ぎる」と食って掛かります。

でも終戦後のひっ迫した住宅事情では13坪の面積は変わりません。
限られた予算と、一人でも多くの国民に住宅を提供するためです。

それでも、従来の日本家屋では北側にあった台所を南側に置き、
一家の中心に台所を置くことを提案します。
これまで寒い場所での辛い作業だった台所仕事を快適に、
との理想からです。

マホさんは狭さに挑戦する事を誓い、
妻・栄子(中村アンさん)のためにもすてきな台所を、という熱意を胸に
本郷と共に、理想の台所作りに奔走する日々が始まります。

試行錯誤の結果、当時開発されたばかりのステンレス製台所に行き着きます。
ステンレス製にすれば、作業台、流し、コンロと、コンパクトな一対型の
作業台が作れます。

狭い調理場では、少しでも動かないで調理出来る事が求められます。
動かなくても調理できる。画期的な炊事場です。
それまでの、人造石で作った洗いずらい流し台と違い、
汚れが落ちやすく、錆びなくて綺麗な流し台です。

今までの炊事場は、北側の日当たりのよくない所に作るのが一般的でした。
それを、ステンレスで、日当たりのよい家庭の中心に作るという発想は
画期的で、上層部の賛同を得るのは大変です。
ましてやステンレスの作業台を作るには、高価なプレス機が必要です。

これらを認めさせる交渉が大変です。
この交渉場面の最終場面から
香美綾子さんの作られた女子栄養大学と関係するする事となります。

ドラマの冒頭、二人の主人公が言葉を交わす場面から始まりますが
最後に、冒頭のシーンで二人の関連性が結びつきます。

貧しかった日本に栄養学を広めた香美綾子さんと
厳しい炊事環境で働く主婦の開放に向かってキッチン改革に取り組んだ
二人の女性の生き様を描いたドラマです。

今では極当たり前の事を、何も知らない人たちに広く知らしめる
過程がとても現代に通じるものがあり

見応えに有るドラマでした

 

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