私をくいとめて
『私をくいとめて』（わたしをくいとめて）は、綿矢りさによる小説です。
及びそれを原作とする日本映画。
『朝日新聞』の夕刊に2016年4月 – 12月まで連載されました。
2017年1月6日に朝日新聞出版から刊行されたのち、2020年2月7日に文庫化されました。
2020年12月18日に実写映画版が公開されました。
第33回東京国際映画祭「TOKYOプレミア2020」部⾨出品作品です。
単行本
2017年1月6日、朝日新聞出版、
文庫
2020年2月7日、朝日文庫
映画 私をくいとめて
原作 綿矢りさ
監督、脚本 大九明子
出演者 のん
林遣都
臼田あさ美 若林拓也 前野朋哉 山田真歩
中村倫也 片桐はいり 橋本愛
配給 日活
2020年12月18日公開 主演はのん
のんと橋本愛さんは2013年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で親友役を演じて以来、
7年ぶりの共演となります。
あらすじ
黒田みつ子は、おひとりさま 生活を満喫している32歳。
周囲からの批評が聞えない事もありませんが、
自分の行動にも悩みをもち、
迷いが生じた時は脳内にいる『相談役「A」』に相談します。
はた目には独り言の様に見えます。
「A」はいつでもみつ子の味方で、傷つけることも孤立させることもしません。
何時も正しい回答を出してくれます。
「A」と共にこのままずっと心地よい“おひとりさま”が続くものと思っていました。
ある日、年下の営業マン・多田くんが気になりだしました。
アラサーの自分から年下の男性にアプローチすることにためらいながらも、
きっと両想いに違いないと信じるて自分がいました。
そんなみつ子には名前の解らない人がいます。
取引先の営業マン・多田くんです
偶然近所のコロッケ店で遭遇した1年前から、手料理を振る舞う“だけ”の関係が続いています。
実はみつ子は自炊を頻繁にするわけでは在りません。
多田くんを前にいい恰好をしてしまったみつ子です。
それ以来、お皿を持って訪ねてくる多田くんはみつ子の手料理を
「持って帰る」ようになりました。
「人が家に来る休日」に変わり、みつ子は浮足立って帰宅します。
テーブルを「二人仕様」に広くして、
予定より豪華なメニューを準備して多田くんを待ちました。
バイクでやってきた多田くんは鉢植えのお花を手土産に持ってきてくれました。
会話が弾み、楽しかった夕食でしたがみつ子は多田くんが帰った後、
不思議な安堵感に苛まれます。
そのことをノゾミに相談したみつ子は、イタリアで暮らす大学時代の親友・皐月に
会いに行こうと思い立ったことを話すと、
ノゾミは初めての一人旅行の予行演習として日帰り温泉のチケットを譲ってくれました。
一人温泉の楽しみ方を模索するみつ子。
大広間ではお笑いのイベントが開催されていました。
場を盛り上げていた女性のピン芸人が、
終焉後に酔っ払った男性客たちに絡まれているのを見て、みつ子は、過去のトラウマ蘇ります。
みつ子は皐月に会うためにイタリアへ向かいます。
しかしみつ子は飛行機が大の苦手で、
冷や汗の12時間のフライトはAの励みで何とか乗り越えました。
皐月の自宅に到着すると、クリスマス休暇のため親戚が集まっていました。
おなかの大きな妊婦の皐月が
旦那さんと手を取り笑いあう様子を見てみつ子は、寂しさを感じました。
みつ子は、多田くんからの連絡に少し安心と安らぎを感じました。
翌日、二人向かい合って絵を描いていると皐月、は「懐かしいね」とほほ笑みますが、
みつ子にとってはまだ「過去」になっていませんでした。
海外で一人暮らす孤独を打ち明けられた皐月と、環境を変えて進んでいく親友への嫉妬を
明かしたみつ子。
互いに本音をぶつけあう事が出来、二人は学生時代の関係に戻る事が出来ました。
帰国したみつ子は、一人に戻りAと再び会話を始めます。
帰国後、初めて多田くんから連絡をもらったみつ子。
料理のお礼として食事に誘ってくれました。
みつ子は喜んで返事を返します。
翌日、年明け初めての出社日。そわそわした様子でみつ子を待っていたノゾミは、
カーターと初詣に行ったことを密かに報告します。
そして東京タワーを階段で登りきるイベントに多田くんを誘い一緒に行ってほしいとみつ子に頼みます。
多田くんと近所のフランス料理店で食事をしたみつ子は、とても楽しい時間を過ごし、
ノゾミの頼みを伝える。多田くんは嬉しそうに快諾してくれました。
4人で出かける日、ノゾミはカーターに告白するつもりでいました。
惚れたものの弱みで、尽くし続けるノゾミの様子を見て微笑ましく思うみつ子。
ノゾミの告白は成功し、期間限定でありましたが付き合うことになります。
その報告をしたみつ子に対して、多田くんは「俺たちも付き合ってみますか？」と告白します。
お互いに彼氏ができて浮かれていたみつ子とノゾミ。
しかし、Aはみつ子の前から再び消えてしまいます。
みつ子は多田くんと沖縄旅行に行く約束をします。
飛行機が苦手なことを伝えると、多田くんはAと同じようにみつ子を優しくなだめてくれます。
沖縄旅行前に初めて多田くんと泊まりで出かけたみつ子。
最初は楽しかったが、天候も崩れ多田くんの初めて見る表情にみつ子は少し怖くなります。
ホテルに着くと多田くんはみつ子を抱きしめますが、みつ子は思わず拒絶してしまいます。
Aと話したことで冷静さを取り戻したみつ子は、部屋に戻り多田くんに本音を伝えようとします。
多田くんは「黒田さんとはゆっくりでいい」と言い、みつ子の手を取り眠りにつきます。
Aへ感謝を伝えみつ子も眠りにつきました。
そして翌朝、Aはみつ子の脳内から消えていました。
この映画、純朴で恋愛未経験な二人が、ギクシャクしながらも打ち解けあい
お互いの関係を成熟させていく映画です。
普通の方には、今時こんな恋愛って在るのかって思われるかも知れませんが
意外と、結構あります。
私の周辺にも何名かいます。
お互い、初めてどうしの恋愛、手をつないだり腕を絡めたりまでは抵抗なく進みますが
それより先が解らず、手間取るカップルッて居るんです。
結婚して数カ月何にも無い事で別れた人も知っています。
昔の人には、男女それぞれに教育してくれるシステムが無言のうちに在ったんです。
個人主義が尊ばれていますが、行き過ぎると、
大変な基本を見失う事になるのかも痴れません。
画面の中の のんさん 独特な純朴さを出されていて良かったです。
ストーリーには派手さは在りませんが、
若い方の悩みが素直に表現されていました。
やはり のんさんの演技は素晴らしいです。
早く のんさんの地上波での復帰を期待したいです。
