映画怪物 結末 感想  考察 カンヌで称賛

 映画 怪物

 上映時間 126分
 製作国     日本の旗

 監督 是枝裕和
 脚本 坂元裕二

 出演者   安藤サクラ  永山瑛太  黒川想矢
      柊木陽太    高畑充希  角田晃広
      中村獅童    野呂佳代
      黒田大輔    田中裕子

 この映画は第76回カンヌ国際映画祭において
 脚本賞 クィア・パルム賞を受賞しました

   

 あらすじとストーリー

 この映画は、どの町にも有る一般的な小等学校が舞台となって居ます
 そこへ登校する二人の少年が主人公として登場し
 彼らに起こる出来事が映画の主題となって居ます

 最初は仲良し二人の争いから物語から始まります
 この争いの仲介に入った担任教師は、深く問い詰める事は無く
 二人を仲直りさせて事を納めてしまいます

 視聴者の方も単なる子供同士の争いとして深く考えないで物語が続いて行きます
 そして物語は突然、過去に戻ったり、現在に戻るなんかを
 何度か繰り返しながら、物語の本質が見えて来出します

 なので、何の気もなしに画面を見ていると話が解らなくなる時が有ります
 この辺は私のつたない感覚なので
 他の聡明な方の視方とは違ってくるかも知れません

 時々、傷を負って帰ってくる息子の姿に疑念を持った母親が子供に問い詰めると
 担任の先生に拠るものだと話します
 先生からすれば、
 争う二人を止めに入った時、偶然生徒の顔に傷が付いてしまい
 傍目には暴力を振るわれた様に見えてしまいました

 母親は、早速学校に乗り込み小学校長に詰め寄ります
 何にも知らない校長は、当事者の担任を呼び
 何ら弁解もさせず、ひたすら母親に謝らせます

 担任教師は、何も知らない内に生徒に暴力を振るった教師のレッテルを張られて
 しまいます
 勿論、担任教師には生徒に暴力を振るった覚えは無いのですが

 その後、母親は子供に問題が起こる度に、何度も学校へ訪れます
 学校側は問題になる事を恐れ
 教員から事情を聴く事もしないでひたすら弁明をさせず
 教員一人を悪者にして事を納めようとします
 校長は、担任教師に対して、貴方一人が我慢して学校に被害を与えない様に言います

 この辺までは、酷い担任教師と問題を大きくし、責任を取りたくない
 学校側の事なかれ主義が見え隠れします

 画面は何度か過去に戻り、視聴者にも全体像が見えだして来ます
 最初の問題の担任教師が暴力を振るったと云う暴力シーンは
 友達の親友に対するいじめに対して業を煮やした
 主人公が思わず、教室の後ろに釣るしてある生徒の持ち物を
 投げ散らし、それを止めに入った、いじめられ役の少年が主人公に飛び掛ります 

 それを視た担任教師は、生徒同士の喧嘩と勘違いし
 止めに入った時、偶然にもその生徒に怪我をさせてしまいました

 この時、きっちり原因を突き止めていれば後々も問題は起きなかったのかも
 知れません

 実際はこの時問い詰めても真相は明らかに成らなかったかも知れませんが
 子供は自分が、クラスからいじめの対象になって居るなんて言えませんから
 又、担任がクラスで真相を知ろうと尋ねても
 誰も真相を語る人は居ません

 親友同士の二人はその内、一人の少年の秘密の遊び場で何度か遊ぶように
 なります

 余り詳しく話すと、まだこの映画を観ていない方の
 面白さが半減してしまいそうなので
 これ以上の物語の紹介は無しにします

 問題はこの映画の題材 怪物 の正体です

 それはいじめを受けている本人だったり
 クラスで陰湿ないじめを行って居る学友
 それをはた目から見ている学友

 問題を深く追求せずに、一人の担任教師に押し付けようとする学校側
 問題が明るみになり、無遠慮に取材しまくるマスコミ
 息子の被害を訴える母親
 いじめを受けている息子を最もいじめるDV気味の父親

 これら何れもがそれぞれ 怪物 に成りうるのではと
 暗に問い詰めている様に思います

 物語の最後に訪れる二人の少年と
 これら二人を心配して走り回る、母親と担任教師

 最後は、明るく走り回る二人の笑い声

 この映画は視る人の感受性によって受け取る
 結果が変わって来る様な気がします      

 

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