映画『ゴッドファーザー』ゴッドファーザーとは? マフィア あらすじ

『ゴッドファーザー』

1972年に公開されたアメリカ映画
監督はフランシス・フォード・コッポラ
マリオ・プーゾの小説『ゴッドファーザー』の映画化作品です

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「ゴッドファーザー(ゴッドマザー、ゴッドペアレンツ)」とは、日本語版では原作
映画共に「名付け親」と訳されていますが、正式にはキリスト教(特にカトリック)
文化において洗礼式に選定される代父母のことで、
その後の生涯にわたって第二の父母として人生の後見を担う立場になります

映画は公開されると瞬く間に、当時の興行記録を塗り替える大ヒットになり
同年度のアカデミー賞において作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞しました
1990年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されました

1945年。シチリア出身のマフィアのボスである
ヴィトー・コルレオーネの娘・コニーの結婚式が盛大に開かれました

式の合間に葬儀屋のボナセーラがヴィトーを訪問し
暴行された娘の仇を殺してほしいと頼みます
これまで疎遠だった彼の勝手な願いを一度は断るドン・コルレオーネでしたが
ボナセーラが「ゴッドファーザー」と呼んで手にキスしたことから、依頼を受けます

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式の合間に次々とヴィトーに客が訪れる中、三男のマイケルも恋人のケイを連れて
パーティーにやってきました
マイケルはただひとり裏社会に入らず、大学を卒業後軍隊で活躍しています
彼はケイに自分の家族がマフィアであることを話しています

家族を何より大切にするヴィトーは、家族写真を撮った後
娘の手をとりみんなの前でダンスを披露します

ヴィトーが名付け親の人気歌手・ジョニーがパーティーに現れました
仕事がもらえないと泣き言を言うジョニーのために
ヴィトーは義理の息子で弁護士のトムに話をつけさせに行かせます

コルレオーネの使者と知り、自慢の愛馬を見せるなどしてプロデューサーのウォルツはトムを
もてなしますが、不実なジョニーの起用については断りました
すると翌日、ウォルツは血だらけで起き、ベッド中から愛馬の頭を掴み出します

5大ファミリーのひとつであるタッタリアと関係を持つ麻薬売人のソロッツォと
面会したヴィトーは取引を断ります
ヴィトーは麻薬売買を嫌っていました。ヴィトーはルカにソロッツォについて調べさせます

クリスマスの晩、タッタリアにルカが会いに行くとソロッツォもその場におり
隙を狙ってルカを絞め殺しました。

その後、トムもソロッツォに連れ去られます
果物を買っていたヴィトーもまた二人組の男に襲撃され重傷を負いました

ケイと街を歩いていたマイケルは、街角で売られていた新聞で父が撃たれたことを知ります

ソニーのもとに、トムを預かったという電話がソロッツォから入ります
麻薬取引に乗り気なソニーを引き込みたいソロッツォはトムにも取引を持ちかけます

ヴィトーは命をとりとめ、兄弟で今後のことを話し合います
マイケルを巻き込まずに進めようとする彼らのもとに、ルカが死んだというメッセージが

マイケルが父の病院を訪れると、病室前には手下も警護もまったくいません
異変に気付いたマイケルは家族に電話で事態を伝え、父を守るために病室を変えます

マイケルは見舞いにきたパン屋のエンツォとともに
病院の入り口で銃を持っているふりをして襲撃者を追い払います

そこに警察がやってきますが、ソロッツォに買収されているマクラスキー警部が
マイケルを殴りつけます。そこにトムたちが現れ、法に乗っ取って警察を追い払いました

物語はこの辺りまで物語全体の導引的部分となります
この辺りまでの展開が理解されていないと後の展開にはついて行きずらいです

物語の展開は熾烈を極め
マフィアの悲惨さが描かれています

退院し大勢の家族に迎えられたヴィトー
ソニーが殺されたと聞いたヴィトーは涙を流しながらも復讐はしないと言い
会合を開いて戦争を終わらせると告げます。

5大ファミリーを集めてヴィトーは会合を開き、条件付きで麻薬取引を認め
マイケルの身の安全を約束させてタッタリアと講和します
この会合で、黒幕がバルジーニであることを確信するヴィトー

マイケルは一家を指揮することになります
これまで裏の社会とは唯一縁のなかったマイケルです

マイケルは軍隊で活躍し冷静沈着をモットーとしていました

そんなマイケルが一家を指揮しだしましたから事態はいっぺんしていきます
ドンが入れ替わった一家の反撃がどうなるのか見ものです

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当時まだ無名だったコッポラ監督が何よりこだわったのはキャスティングでした
そこには大変な苦労があったといいます

パラマウントは当初、トラブルメーカーとして知られていたブランドと
無名俳優のアル・パチーノの起用に難色を示しました
しかし、コッポラ監督が食い下がりテストに持ち込みます

まだ若かったブランドはヴィトーの年齢の貫禄を出すために置いてあったチーズを自ら口に含み
ブルドッグのような容姿を作り出したそうです

ヴィトーは義理人情に厚い昔気質の人間です。何よりも家族を大事にし、
自分を心から慕っている者には無償で力になり、麻薬の汚さを憎み
愛息を失っても復讐をしないという立派な選択をします

そんなゴッドファーザーだからこそ、人々から愛され信頼を勝ち得ていました

黄金期から衰退期までを辿るヴィトーは映画史上もっとも偉大なキャラクターとして選出され
「I’m going to make him an offer he can’t refuse.(文句は言わさん)」
というセリフは、「アメリカ映画の名セリフベスト100」の第2位にランクインし
今なお世界中の人々から愛され続けています

ヴィトーの魅力の魅力を余すことなく演じ上げたブランドは
見事アカデミー主演男優賞を受賞し高い評価を得ています

マイケル・コルレオーネの進化
初登場シーンでは、まだ学生くさくて青っ白い青年だったマイケル・コルレオーネ
しかし、父が襲撃され、ファミリーが危機に陥ったことをきっかけに
家族を守るために裏社会で生きていくことを決意してから表情が変化していきます

会合の開かれたレストランで、トイレ裏に隠しておいた銃でソロッツォ
を撃つシーンは圧巻です。恐ろしいまでの緊迫感とマイケルの決意が伝わってきます

当時まったく無名俳優だったアル・パチーノをキャスティングすることに
パラマウントは反対したそうです
しかし、アルが気に入っていたコッポラ監督は、オーディションで彼を選びました
スタッフのひとりマーシア・ルーカスの「彼にしましょう。目がいいわ」
という一言が決め手となったそうです

アル・パチーノは映画会社から認められていないことを知りながら演じていましたが
前半のクライマックスであるソロッツォ殺害のシーンを撮り終えてから
何も言われなくなったといいます。彼のオーラのすごさに圧倒されたのでしょう

シチリアに身を隠していたマイケルは、一目惚れした美女・アポロニアと幸せになろうとしますが
部下の裏切りによって彼女は目の前で爆死してしまいます
マイケルは自分がもう決してもとの世界には戻れないことを痛感したに違いありません

その後アメリカに帰国したマイケルの表情はどんどん非情で冷酷なものに変化していきます

家族を守ることを一番に考え、父の教えを尊重しながらも
マイケルは裏で着々と復讐への布石を打ち続けます

父・ヴィトーの死後、復讐を否定する父の教えを捨て
冷酷に5大ファミリーのドンを全員粛清するという大変な仕事を一瞬で片づけます

裏切り者は決して許さないという彼の凄みに圧倒されます。常に大きく見開かれた目は
異次元の世界までも見通せるかのようです
妻に対しても、まっすぐ目をみながら嘘をつける冷酷さを彼は身につけていました

まだ世に認められていなかったアル・パチーノは
撮影中にぐんぐん成長して周囲を納得させていきます
その姿は、ドン・コルレオーネとなる道を選んだマイケルが進化していく姿に重なります

アル・パチーノが放ち始めたオーラは、そのままマイケルの圧倒的な凄みを生み出しました
アル・パチーノという名優と主人公・マイケルが見事にリンクした稀有な名作は
今なお多くの人々から愛され続けています

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