東京物語 笠智衆 渋いセリフと原節子初々しさと親子のずれ

東京物語
【公開】1953年(日本映画)

【脚本・監督】小津安二郎

【キャスト】

笠智衆、東山千栄子、山村聡、三宅邦子、村瀬禪、毛利充宏、杉村春子、中村伸郎、
原節子、大坂志郎、香川京子、十朱久長、岡輝子、東野英治郎、高橋とよ、三谷幸子、安部徹、阿南純子

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作品のおおよその内容

家族の絆と、親と子の世代の違いを丁寧に描いた映画です。
日本人の死生観についても描かれています。
この作品は、見た年齢や家族の生活環境によっても印象が変わる作品です。

2012年、世界の映画監督が選ぶ映画史上最高の映画ベストテン第1位の栄誉に
輝いた作品です。
「小津調」とよばれる独特な美しさが芸術作品として高く評価され、
ニューヨーク近代美術館にフィルムが所蔵されました。

この作品の、平山周吉役を演じた笠智衆の年齢はなんと48歳!
若い頃から老け役を演じていた笠智衆は、小津作品を通じて「日本の父親像」を確立しました。

そして、とにかく、どの場面もロー・アングルで撮影され
人物や物が平行に配置され均衡がとられた、まるで写真集のような映画だそうです。

このスタイルが「小津作品」の特徴です。

「永遠の聖女」と呼ばれた女優の原節子さんと、
「日本の父親像」を確立した笠智衆が、息の合った演技で叙情感を生み出しています。

そして国際的な賞賛を浴び、日本映画の最高峰と言われました。

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映画『東京物語』のあらすじ

平山周吉と妻のとみは、尾道から20年ぶりに東京上京し
長男の幸一の家族や、長女志げ夫婦等の歓迎を受けます。

しかし、開業医で医者の幸一と、美容院を営む志げは、
それぞれの仕事や生活が忙しいようで、あまり2人の相をする時間が取れません。

幸一と志げは相談をし、
厄介払いの様に、両親を熱海温泉へ療養に行かせねぎらいます。

そんな周吉は、東京の下町で再会した旧友と呑んだことが楽しく、
また、妻のとみは、戦死した次男昌二の未亡人、紀子の優しさが嬉しそうでした。

この映画は、極めて現実的に、冷淡に家族の姿を描いています。

久しぶりに再会した家族はそっけなく、相手もしてくれない。
自宅へ帰り妻のとみが亡くなった際も、葬儀が終わるとすぐ帰りの時間の相談を始めます。

この一連の態度に、冷たさを感じた方も居られるのではないでしょうか。
でも、それぞれの家族には、それぞれの生活が在ります。
幸一や志げは、結婚して子供もおり、それぞれの家族がいます。

大切に思うものはそれぞれに違います。
医者として、日々の患者さんがおられ
美容師としての忙しさも加わって両親のことに構っている余裕が在りません。
自営業では簡単に営業を止める訳にはいきません。

全編を通じて、物語は淡々と進んでいきます。
そのゆっくりとした流れの中で、主人公の独特の間合いが
視聴者を飽きさせません。
また、最後には、笠智衆さんと原節子さんとのやり取りに、重みがあり
この映画の美しさを仕上げている様におもいました。

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